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2007年03月 アーカイブ

2007年03月25日

臨床工学技士って何?

現在、病院で働く職種には、医師、看護師の他にレントゲンやCTなどを撮る
放射線技師、血液の中にどのようなものが入っているか、心電図を測定したり
する臨床検査技師、リハビリを行う理学療法士や作業療法士など
さまざまな職種があります。


その中に、臨床工学技士と呼ばれる職種があります。


この職種は1987年に制定され、現在2万人の臨床工学技士が活躍しています。
臨床工学技士は、医学と工学の両方が交わったものであり、
お互いの学問をうまく組み合わせることによって医学の分野にこだわらない
考えかたができ、現在の医療ではなくてはならない存在となりました。


しかし他の職種に比べ、比較的新しい職種であり、
あまり知られていないのが現状です。

臨床工学技士の業務

臨床工学技士の日常の業務は医師や看護師などと一緒に
生命維持管理装置の操作を行ったり、いろいろな種類の医療機器の
保守、点検などです。


細かくみていくと、血液浄化業務、手術室や集中治療室業務、呼吸療法業務、
高気圧酸素療法業務、その他治療器などの保守点検である。
血液浄化業務は腎臓が悪くなり、老廃物がうまく処理できない人などに
血液透析療法などを行い、機械を通して老廃物を処理します。


今では病院のほかに、透析専門のクリニックが存在するくらい普及しており、
これらの施設で血液浄化装置を動かしたり、点検するのが臨床工学技士の
主な業務です。


最近では、透析以外にも、手術室や集中治療室などでの業務が増えてきています。
手術室では、大小さまざまな機械を駆使して進めていきます。


手術は医師が進めていきますが、それを支え安全に進めていくため
臨床工学技士が医療機器の操作、点検を行うのです。

手術にも関わる臨床工学技士

臨床工学技士が一番手術に関わってくると言っても過言ではない
くらいに関わるのが、心臓手術の時である。


心臓を手術するときは、心臓を止めて行うときがあり、
そのときに生命を維持するのに使うのが体外循環装置と呼ばれるものです。
代表的なものが人工心肺で機械によって心臓と肺の役割をしています。


それを操作するのが臨床工学技士であり、腕の見所であると言えます。
集中治療室では急変により命の危険性がある患者を治療するところですね。
特に脳や心臓の手術をした後は、集中治療室で呼吸や循環を
管理しなくてはなりません。


そこで使われるのが、人工呼吸器や心臓のペースメーカなどの生命維持装置です。
手術後の不安定な状態を助けるため、生命維持装置を使うのですが、
これがしっかり動かないことには話になりません。

臨床工学技士は機械のスペシャリスト

患者の生命に直結した機械であるため、絶対的な信頼を求められ操作、
点検は専門的な知識を必要とするので、臨床工学技士が行います。


高気圧酸素療法とは、近頃スポーツなどで使われるようになってした
酸素カプセルに近いものであります。酸素カプセルよりはるかに高い気圧を
かけて行うのが高気圧酸素療法です。


主に血液中の酸素を増やす働きがあり、一酸化炭素中毒で運ばれた
患者などに使われます。


また違った観点から高気圧をかけることで、血管に空気が入り、
詰まってしまったときなどに使うと、圧により空気が圧縮され塞いでいた
空気を取り除くときにも使います。
これらの機械の操作、点検も臨床工学技士の仕事となります。


その他、病院で使われるさまざまな医療機器の保守、
点検を任されるようになってきています。

臨床工学技士の仕事

臨床工学技士の仕事は、さまざまですが内容で分けると機器の操作、
機器の保守管理、教育となります。


機器の操作は日々複雑になっている医療機器の始業点検、条件設定、
治療中の操作などである。医師が使用しなければならない医療機器もあり、
その場合はいつでも使用できる状態にしておき、合図があれば
医師に託すというような仕事もあります。


また同じ医療機器でもメーカーによって設定や特性が違うので、
自分の職場の意見でどういった機能を求められているかなどを加味して、
機器の操作をしなくてはならない。


現場で必要なボタンのみにマークをつけるなど環境にあった機器を
作り上げていくのも仕事のうちであります。

機器の点検や保守

機器の保守管理は臨床工学技士の主な仕事であり、
いざ使おうというときに動かなくては話になりません。
複雑になった医療機器は、他の医療スタッフでは理解できない
くらいのレベルになりつつあります。


なので臨床工学技士が、専門の知識を用いて点検を行い、
ベストの状態を保っておくことが大切なのです。


ですからメーカーからの取り扱い説明書を熟読し、
どういった機器であるかを理解してトラブルに備えておく必要があります。
医療機器の中には、多くのボタンやスイッチがついたものがあり、
他のスタッフはどのように使っていいのかわからないと思います。


そこで、臨床工学技士がどんな人にもわかりやすく簡単にマニュアルを作ったり、
教えることが大切です。


また患者から医療機器の説明を求められれば、理解できるように
解説しなくてなりません。誰でもわからないまま変な機械を使われるのは
不安に思うはずです。


また自分でもメーカーや学会に足を運び、最先端の医療を学んでいかなくては、
現在の医療の進歩についていけなくなります。常に学習することを求められ、
他のスタッフからも知識を貸してほしいと尋ねられることもあり、
常に向上心を持って仕事に取り組むことが大切なのです。

医療機器を扱う臨床工学技士

ここで臨床工学技士が実際にどのような医療機器を使って
仕事をしているのか話していきましょう。


よく産婦人科に行って赤ちゃんを見るために使う超音波診断装置は、
人が聞いている音の周波数よりはるかに上の周波数を使い、
その超音波の跳ね返りをみることで深部の状況がわかるというものです。


超音波診断装置には、さまざまなモードが存在しそのモードは
診断する場所によって異なる。このモードを間違えると診断できなくなるので、
臨床工学技士は各モードをわかりやすく説明して分けておかなくてはならない。


また、ボタンもたくさんあるので、どれを操作していいのかわかりやすくするため、
シールでマークをしたりと工夫が必要です。


他にプローブと呼ばれる超音波を発生させて超音波を受信する装置が
入った体に直接当てて使うものがある。これを使うときは、体とプローブの間に
ゼリーのようなものをつけて使います。


それは診断が終わればふき取るのですが、汚れていれば
しっかり洗浄しなくてはなりません。他にもプローブの断線、機器からの
漏れ電流などの保守点検は日常の業務です。

心電図モニタの安全管理

テレビや病院でよく見かける心電計、心電図モニタも臨床工学技士が使用法、
安全管理を行わなければならない。


現在の医療機器のなかでとても浸透しているこの心電計は、
心臓の動きを観察するのに使い、ICU、CCUなど重要な場所で
用いられることがあります。


またさまざまな医療機器と併用するので、そのときに影響が出ないか
などを考えなくてはなりません。実際の取り扱いについて注意しなくては
ならないのは、電極を貼り付ける時の方法、雑音の混入、記録方法などです。


電極は専用のペーストを使って張るのですが、
張る位置やペーストのつけ方で大きく結果が変わってきます。
雑音は特に、交流雑音と呼ばれるものが入るので、除去の方法として
アースを取るというのがあります。


このアース線の断線などのチェックも臨床工学技士の仕事です。
また記録紙の送る速さや校正の仕方など調整するのも、臨床工学技士で
あればできなくてはなりません

除細動器の保守点検

心臓が痙攣した状態、心室細動と呼ばれる状態になれば、
血液を体に送り出すことができなくなります。この状態になると
すぐに対処しないと命を落とすことになります。


そこで、心室細動には除細動器と呼ばれる機械を使います。
心室細動にはこの除細動器を使うしかすべはなく重要な機器である。
この機械はコンデンサと呼ばれる部分に電気を溜めて一気に放電し、
心臓に大きな衝撃を与えます。


その衝撃により、心臓は一度停止した後、心臓自身のペースを作る働きで
正常な心拍に戻すというやり方で心室細動を治します。


現在では、一刻の猶予も許されないこの心室細動に対応すべく、
さまざまな場所でAED(自動体外式除細動器)と呼ばれる誰でも
使えるように改良を加えた除細動器が備え付けられています。


これにより空港、お寺、スーパーマーケットなどでも心室細動に
なった人を助けることができるようになりました。
このようにさまざまな場所で活躍している除細動器ですが、
臨床工学技士ではこの機械の保守点検が主な仕事です。


どんなことを行うかというと実際に動くがどうか作動点検を行う。
一連の操作を行い正しく動くかどうかを調べます。


他に作動した時の出力の波形やエネルギーを測定します。
波形が正常でなければ除細動はうまくいかず、出力エネルギーを
ダイヤルと同じだけ出ているかをみないと患者に大きなダメージを
与えることになる恐れがあるのです。


充電時間や自然に放電するまでの時間を計るのも大事なことです。
いざ使うときになって充電時間が長くては助けられる命も助けられなく
なるかもしれないのです。

血液浄化機器の扱い

臨床工学技士がもっとも扱うことが多いのは血液浄化機器です。
この機械のほとんどのことを臨床工学技士がやらなくてはなりません。
具体的にあげていくと、操作と運用で、医師や看護師と共に血液透析を
進めていきます。


まず開始前準備で透析にはいろいろな液体を使って行うので
その準備をします。そして透析装置の運転を確認し、
チェックしていきます。


ダイアライザ、回路を組み立てて回路内に水を入れて空気を追い出します。
この空気を抜く作業がとても大切で、手を抜くと患者に空気が入り
大変なことになります。


続いて透析を開始するときに、患者の様子を確認します。
良好であれば穿刺を行い透析装置の条件設定をします。


透析中は患者の様子を確認し、穿刺部分からの血液の漏れがないかなど
さまざまなことを確認します。透析終了時には、抜き取った水分量を確認し、
血液を患者に返し、抜針、止血を行います。
つねに患者の様子を観察を忘れないことが大切です。


最後に透析装置の片付け、洗浄、消毒をして一通りの透析治療は終わりです。
これを午前午後の2サイクルで行ったり、朝昼晩の3サイクルで行ったりと
病院によってまちまちですが、多くはこのような形をとります。


また、透析装置やその周辺機器の保守点検も臨床工学技士の業務であり、
それが不良であれば患者の生命に危険を及ぼすことになるので、
保守点検は確実に行なわなければならない。


他にも実際に透析業務をしているときに起こりうる事故を未然に防ぐのが
一番なのですが、万が一起きてしまったときのことを考え、
事故対策を学んでおく必要がある。


事故が起こってからどうすればいいのか、では遅くて事故が起こっても
すぐにその事故に対して最善の対策を施し、それ以上悪影響のでないように
するのが大切です。

体外循環装置の扱い

心臓に病気があり手術を行う場合心臓を一旦止めて行うのですが、
心臓を止めてしまっては全身に血液を送ることができません。
そこで使用するのが体外循環装置と呼ばれるものです。


この装置の中に止まった心臓の代わりをする人工心肺と呼ばれる
ものがあります。心臓手術の時はこれを使い行います。
ポンプによって送りだされた血液を、人工肺と呼ばれる部分で
酸素を加え全身に送り出します。


送りだされた血液は全身を回り、各細胞が死滅することなく
手術を進めることができるのです。実際の操作の流れは、人工心肺装置に
入れる充填液の量を、回路や人工肺の大きさによって決める。


今では小型化されており、この充填液は少なくなっている。
どれだけ血液を薄めるかや、血液が固まらないようにするための
薬品を体重などから計算する。


そして人工心肺の回路を組み立てて、充填液を入れ、気泡を取り除く。
患者から血液を取り出す脱血回路と患者へ血液を送る送血回路を組み立てます。
そのあと開始前の各設定、条件、数値を確認して、人工心肺開始となります。

重要な人工心肺の扱い

人工心肺稼動中は、患者の状態、手術の流れが刻々と進んでおり、
その変化に的確に対処しなくてはならない。


その後、人工心肺から離脱するのだが、手術の流れをうまく読み、
的確に対処して手術時間を短くすることと、この人工心肺からの離脱が
臨床工学技士の腕の見せ所です。


手術では術者の医師からさまざまな指示が出る。
それを予想して次の行動をどう取ればいいか、など術者に指示されない
でも適切な処置が行えれば手術はとてもスムーズにいく。


人工心肺からの離脱は、飛行機の着陸と同じようにとても
集中力の使う作業です。


この離脱の時にもっとも患者の状態が変わりやすいが、
そこを状態の変化を最小限にし、着陸でいうとふわっと降り、
着陸したことがわからないようなくらいの離脱がうまいのです。
これらをうまく行える臨床工学技士がプロと呼ばれる領域なのです。


人工心肺を終えた後も仕事が残っており、使った人工心肺の洗浄、
除菌、片付けがあります。とても多くの仕事と難しい作業ではありますが、
今の医療には欠かせないものです。


そのため、この人工心肺を使えるようにならなければならないのです。

臨床工学技士について私から

一部の医療機器を紹介して、臨床工学技士とはどのような仕事を
しているのかをわかってもらおうと思いました。


また全ての機械にあることですが、自分の職場の機械にあった
チェック項目を作り、それを元に日常点検を行っていく。
電源コードやアース線に始まり、各機器の条件設定などをこと細かく
明記しなくてはならない。


そのためには、基礎の知識がもっとも必要となってくるのです。
臨床工学技士の免許は特別なものとして思われがちですが、
運転免許と同じで日々の努力で基礎を作っていくことが
取得の最短ルートなのです。

臨床工学技士は国家資格

臨床工学技士は国家資格です。
なのでだれでもなれるわけではなく、なり方があります。


まず、3年か4年の養成学校に行かなくてはなりません。
大学や専門学校などですが、そこを卒業することで国家試験の受験資格が
与えられます。


現在では、大学の数は少しずつ増えてきているが
依然、専門学校や短期大学の数が圧倒しており、働いている
臨床工学技士は専門学校や短期大学の人が多いのが現実です。


一般的に大学は4年間、専門学校や短期大学は3年間、必要な科目を
学び卒業します。医療系の学校ほとんどにいえることですが、
学ばなくてならない科目は多く、ほぼ必修となります。


普通の大学のように自分の興味ある科目を選択していき、
卒業に必要な単位を取得すれば卒業できるというものではなく、
自分の苦手な科目も絶対に取らなくてはならない。


医学系は得意だけど数学系がちょっと好きではない、
などは言ってられないのです。実際のところ厳しい学校ではありますが、
それだけのやりがいはあります。

実際に学ぶ事

さて実際にどんなことを学ぶのかを紹介したいと思います。
大きく分けて2つあります。


何事にも大切ですが、基礎科目というのを学びます。それを学び、
専門科目を学ぶというイメージを持っていただけたらと思います。
基礎科目は小中高で学んだことの延長線上のことや医学の基礎となる
人体のことなどを学びます。


具体的な科目を挙げると、医学概論や公衆衛生学といったものがあります。
医学概論は、文字通り、医学っていうのはどういったものであるかを
大きくまとめたものとなります。


歴史や今までの道のりなどを学んだり、テレビでも取り上げられたり
されているチーム医療について学んだりいます。
公衆衛生学は今の日本でどのような病気が多いか、
いろいろな場所の環境はどの程度整っているかなどを学びます。

解剖生理学

解剖生理学は人体の構造原理を学びます。
細胞単位から体を総合的に見たりとさまざまなな角度から人体を考えます。


特に臨床工学技士で大切な腎臓、尿の部分はしっかり学ばなくてなりません
他にも、心臓や肺での循環のことを学んだり、血液や体液はどのように
人体に影響するなどを学びます。


これはいまから臨床工学技士として一人前になっていく上で、
物事を考える基礎として大いに使っていきますのでしっかり学習する
ことをおすすめします。


病理学概論とは、病気を細胞レベル、肉眼レベルなどさまざまな見方から
考えていく学問です。


いまやその名前を知らない人はいないだろうというくらい
有名な”ガン”とはどういった変化をするのかという感じで
考えていきます。


実際に肺がんであれば、肺がんに侵された肺を見てどういった部分が
よくガンになっているかや、感触、色などいろいろな変化をみることで
肺がんとはどういうものかを考えるのです。

臨床免疫学

臨床免疫学とは、人体にはさまざまな免疫があり、
それにより日々病原体から自分の体を守っています。


もともと体に備わっている免疫や一回特定の病気にかかると
その病気に対して次にかからないようにするといった免疫があります。
気づかないかもしれませんが、移植手術をした時も免疫が働きます。


移植によって入れられたものは、体の免疫からしたら異物として
扱われるので攻撃をします。それを抑えるために使うのが
たまに聞くかもしれませんが、免疫抑制剤です。


このようによくしたいと思っても自分の免疫が邪魔をしてくるという
こともあるのです。


他にも免疫は細かく分かれており、そのメカニズムを学ぶことによって、
病気に対してどのような対処を行えば適切かがわかってきます。
免疫を考えないで間違ったことをすると大変なことにつながる
可能性があるのです。

情報処理工学

情報処理工学とは、コンピュータがどんな作りをしているかや
どんな原理で動いているかなどを学びます。
いままでの医学系とは違ってどちらかというと工学系となります。
この工学系があまり好きではないという人もなかにはいたりします。


しかし、好きではないと言ってばかりではなく、何事も挑戦と思って
自分から飛びこんでみてください。意欲を持ってしてやれば
なんとかできるはずです。


さて情報処理工学に関しては、今の医療機器はコンピュータの塊です。
ほぼすべての機器がなんらかのコンピュータに関わっており、
その構造、原理を理解しておかないと、せっかくのすばらしい
機器の性能を引き出しきれないことにもなります。


特に電波通信や機器のソフトウェアなど今の病院では
よく使われるものばかりで、これらをいじるれるようになれるように
なっておきたいものです。

医用電気工学

医用電気工学とは、大学の工学部みたいに難しい電気工学はしません。
ごく基本の部分からそれを応用したものをし少しやる程度です。


しかし、基本こそ大切でありこの電気工学をしっかり学ばなければ、
仕事しているときに苦労します。実際に聞いた話ですが、
今病院で働いている人の中には、機器の調子が少しでも悪くなれば
すぐにメーカーを呼んで直してもらうということもあるみたいです。


メーカーからか見たら、このくらいで呼ばれても、というような
簡単な不具合があるそうです。


これは結局電気工学をあまり理解していないことから
このようなことが起こると言います。基本ですが大事な電気工学を
しっかり理解していれば、どのようなことが起こっているはなどは
少しは推測できるものです。


なので電気工学はがんばって理解することをおすすめします。
医用電子工学とは、主にICチップやトランジスタと呼ばれる回路素子を
あつかう学問です。


身近ではブラウン管式のテレビなどは電子工学が使われております。
パソコンや携帯のなどさまざまなところで電子工学は応用されており、
医療の世界でも応用されています。


この電子工学なしでは、心電図や脳波形の測定などは到底不可能なのです。
このような測定に使われる増幅器と呼ばれるものも電子工学に入り、
臨床工学技士として大切な科目のひとつであります。

物理系の工学

これから述べる3つは工学系のどちらかというと物理のほうになります。
まず医用機械工学ですが、さまざまな力を考えます。振動やひずみ、
圧力や流体の運動、音波や超音波、熱などさまざまな力があります。


このような力がどのように働くかをわかっていないと、
医療機器を使っていて故障を起こし大事故につながります。


特に圧力や流体の運動はチューブ内に液体を流すときに考えなくては
いけないもので、臨床工学技士の扱う機器の中にチューブ内に液体を流す
ものはけっこうあり、間違った扱いをするとチューブが抜けたり、
破裂したりと大事故につながることもあります。


次に生体物性工学ですが、生体を力学的に考える学問です。
筋肉や神経での電気刺激や血管に流れる血液を流体力学から
考えたりと人体の生理現象を力学という観点から特性を探し
利用していくというものです。


特に血液の流体力学は、よく使われ血圧計の原理に応用されたりしています。
最後に生体材料工学です。医療ではさまざまな素材が使われます。
体の中に入れたり、血液と触れたりします。


なので、どんな素材でもいいというわけにはいかず、生体にやさしい材料を
探さなくてはなりません。血液に触れる素材では、触れた瞬間、遺物と思い
血液が固まってしまうことになります。


固まってしまっては問題になってしまうので、固まりにくい素材や構造を
考えるのがこの科目です。医療で使われている素材はすべてこの材料工学に
基づいて試験が行われているのです。


専門科目を学んでいく

専門基礎科目を学んだ上で、専門科目を学ぶことになります。
臨床工学技士で中心となる医療機器を学ぶのが、
生体機能代行装置学や医用治療機器学などです。


生体機能代行装置学とは、病気により生体の生理が
うまく機能しなくなったときに、機械が代わりに機能する
さまざまな医療機器のことを学ぶ科目です。


具体的に心臓の手術の時心臓を止めて行う手術があります。
そのときは人工心肺と呼ばれる体外循環装置を使います。
機械によって止まった心臓の代わりに血液を送り出し、
血液に酸素を加えるため人工肺と呼ばれるものを使い、
酸素化し全身に血液を送る。


この人工心肺を使うのに必要な血液内の成分バランスや回路のつなげ方や
トラブルシューティング、手術全体を考えてた全ての流れを学びます。


人工心肺の操作を学ぶ

人工心肺は、ひとつミスをすると患者の生命を脅かすことになる
責任の重い機器でもあり、操作も熟練が必要である。


実務をある程度積んで先輩と一緒に手術室に入り、
実際に参加しながら学ぶということになると思います。
そのために、基本的な原理、回路のつなぎ方、操作方法を
わかっていないと手術に支障をきたします。


なので、学校でしっかり基礎を学んでおくことが大事です。


また熟練した臨床工学技士は、術者とあうんの呼吸で手術を進めていき、
患者にも負担のない人工心肺からの離脱をすることができ、
ほかの人からも信頼のおける人となれるのです。


他に呼吸困難になった患者を助ける人工呼吸器があります。
これはなんらかの病気により呼吸をすることが難しくなった場合に、
機械の陰圧や陽圧を使い呼吸を代行するというものです。


人工呼吸器にはさまざまなモードがあり、病気の状態によって
使い分けなければなりません。これを間違ってしまうと肺にダメージを
与えてしまうことも起こりますので理解しておきましょう。


臨床工学技士で一番触る機会の多い医療機器のひとつに
血液浄化装置があります。


特に多いのが腎臓の機能が落ちた人に対して行う血液透析が
臨床工学技士での業務の中で多くしめます。回路のつなぎ方や
どのように行えば効率よく老廃物を除去できるか、
また効率よくやりながらも患者に負担のすくないやり方は
どういったものであるかなどを学びます。


原理を理解したうえで操作方法や保守点検などを教科書や実習で学び、
実際に職場に行って行えるようになるようにします。
他にもいろいろな血液浄化療法があるので、それも学んでおくことが大切です


医用治療機器学

医用治療機器学とは、実際の病気を治療するときに使う機器を学びます。
最近では、おなかを開けずに内視鏡によって手術をすることが
増えてきました。


内視鏡のほうが術後、回復も早く体に大きな傷を残さなくて済みます。
なので注目されているのですが、この内視鏡も臨床工学技士では扱います
主にメンテナンスを中心としていて、使用後の内視鏡の洗浄などを
任されることがあります。


他にも電気メスやレーザーメスなど手術に使うような機器を多く取り扱い、
その保守点検が重要です。この科目で手術で大切な機器の点検の仕方や
保管の仕方などを学びます。


生体計測装置学

生体計測装置学とは、心電図や脳波を測る際にどのように
図れば正確な値が出せるかや雑音をいかに少なくして計測するか
などを学びます。


測定の際に間違った方法で行うと、まったく違った結果が示されたりして、
診断などに支障をきたします。なのでここでは、ちゃんとした測定方法、
測定結果のまとめ方を身につけます。


医用機器安全管理工学

医用機器安全管理工学とは、さまざまな医用機器の使用に対して
安全であるように電気的、物理的、化学的などさまざまな面から
考えていきます。


医用機器にはほとんどが電気を使用しており、その電気が機器の外部に
漏れて感電してしまう事故が起こる可能性がある。


そのため安全を確保するため、日常点検の他に万が一漏れたとしても
大事故につながらないような構造をつくっておくことが必要です。
その原理を学び、医用機器を常に安全に使用できるように
しておくことが大切なのです。


医療に必要な臨床工学技士

医療ガスといった酸素や麻酔のガスなどの安全管理も臨床工学技士は
考えなくてはならない。使用するガスのまちがえやガスの残量がないなど、
常に医療ガスが使える状態にしておかないと医療は成り立ちません。


臨床工学技士は、さりげないかもしれませんが常に前線でとても
重要な職を任されているのです。


他にも臨床ではさまざまな病気、疾患があり、それを理解した上で
最善の治療はどうすべきであるか、を判断するため多くの病気を学びます。
そのひとつひとつが大切であり、間違った解釈をすると
患者を苦しめることにも繋がります。


このように重い責任がのしかかるのですが、
最前線で他の医療スタッフと連携し、患者を助けていくという仕事は
何事にも代えられないものが見えてくるはずです。


臨床工学技士になるには、大きなハードルをいくつも越えなくては
なりませんが、自分の信じたものに向かってみてください。

第2種ME技術実力検定

第2種ME技術実力検定は、臨床工学技士を目指す上で誰もが
聞くであろう有名なものです。よく「ME2種」と呼んでおり、
臨床工学技士の養成校では、よく受けるように勧められます。


この検定の目的は、「医用生体工学技術を応用した機器・システムの
安全管理を中心とした医用生体工学に関する知識をもち、
適切な指導者のもとで、これを実際に医療に応用し得る資質」を
見るものであり、日本生体医工学会が昭和54年からはじめたものです。


この試験は国家試験の通過点としても考えられていてこの試験を受かって、
国家試験を受ける人が多いようです。


この検定は、臨床工学技士の他にも医療機器メーカーの人や
指導者なども受けることがあり、かく方面から正確に判定してくれる
という声が多く集まり、現在このように浸透しています。


学生にとっては英検のような感覚であり、国家試験まで長い期間の間
勉強するため目標を持ちにくく、モチベーションが保てないというときに
この検定を受けることで、近くに目標ができ自分のしてきた勉強が
どの程度なのかという評価にもなります。


そのため、養成校では、この検定を受けるよう勧めているのです。


第1種ME技術実力検定

この第1種ME技術実力検定の受験資格は、第2種ME技術検定試験を
合格しているか、臨床工学技士国家試験を合格しているかのどちらかである


この検定は「ME機器・システムおよび関連機器の保守・安全管理を
中心に総合的に管理する専門知識・技術を有し、かつ他の医療従事者に対し、
ME機器・システムおよび関連機器に関する教育・指導ができる
資質を検定する」ことを目的とし、ME2種よりもっと専門知識を必要とし、
この検定に合格していれば就職やその他の面で優遇される。


この検定の受験資格は先ほど述べたようにME2種か
臨床工学技士の免許を取らなければ受けれられない。


臨床工学技士の人はいいのですが、医療機器メーカーの人たちは
臨床工学技士の免許を持っていなければ、ME2種を取らなければ
受けることができない。


ME1種を取りたくてもまずはME2種を取ってからという順番になります。
このME1種は大変難しく難関で合格者も少ない。


だからこそこの検定を取っている人は、専門知識を持ち合わせている
ということがわかるのです。検定を受ける際に行っておくと便利なのが、
この検定の講演会です。


講演会ではME1種を受けるにあたってさまざまなことを聞くことができ、
受験に大いに役立つことと思います。


ME2種を取って、余裕がある人はME1種を受けることをお勧めします。


透析技術認定士

臨床工学技士で一番多い業務の透析業務に関してのスペシャリストとして、
透析技術認定士検定というものがあります。


これは、透析療法合同専門委員会によって認定され、
受験資格として実務経験が必要となってきます。


各職種によってすこし経験日数が違いますが、
その実務経験の日数を超えたうえで、認定講習会を受講することが
条件としてあります。


この講演会を受講した後試験を受け、合格すれば透析技術認定士となり
血液透析のスペシャリストとして働くこととなります。


やはり臨床工学技士として透析をマスターするというのは、
目標として立てやすいと思うし、その勉強によってさまざまな知識と
技術を取得できるため目指してもらいたい免許です。


体外循環技術認定士

体外循環技術認定士の免許を取得すると、
「医師の指示のもとで行う人工心肺等の体外循環装置を操作する
ための技術を有する能力」として認定され、人工心肺などさまざまな
体外循環のスペシャリストとして、体外循環の管理運用を行って
いくことができます。


この検定は、日本人工臓器学会が中心となり、日本胸部外科学会、
日本心臓血管外科学会が合同で行っているん認定です。


受検資格は、臨床工学技士であれば、実務経験3年以上というのが
受験資格にあたります。その他の資格としては日本人工臓器学会の会員で
あること、講演会やセミナーを受けていることなど多くの受験資格を
クリアしなくてはならない。


体外循環は他の医療機器に比べ、ひとつのミスが患者の命と直結しているため、
一人で行うには長い時間が必要であり、この免許を取るのは時間がかかります。


しかし、現在の心臓手術には欠かすことのできないすばらしい医療機器の
スペシャリストとしての認定を受けれるということで、とても大きな達成感に
満ち溢れるに違いありません。


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